向上心のないものは馬鹿だ。

旅や酒、日常のことを赤裸々に書いてます。

This video has been deleted.と格闘した話。

 

現在、ネット上にはたくさんの動画で溢れている。YouTubeが圧倒的シェアを占めているが、その他にも様々な動画メディアがあり、エンターテインメントとして人々を楽しませている。しかし、中にはある特定の種類の動画があり、その仕様がとても憎らしいものであったりもする。ではここで、僕個人のある種の動画におけるネット上の憎いものランキングベスト3を挙げてみよう。すると、以下のようになった。

 

3位…「突如画面上らへんからゆっくりと現れ、当たり判定が非常に広い謎の広告」

2位…「✖の当たり判定が狭い、というかそもそも押したにもかかわらず広告リンクへ飛ばされる「広告を閉じて動画を再生」」

1位…「This video has been deleted. 」

 

This video has been deleted.が堂々の1位にランクイン。直訳すると「この動画は削除されました。」だが、現在完了形や三人称単数現在、受動態に過去分詞という様々な文法事項を包含しているフレーズとして、特に10代以降の男性諸君によく知られている。しかし、有用なフレーズでありながら、ネット上でこのフレーズに遭遇した時の喪失感が非常に大きい。このことについては、改めて言葉を紡ぐ必要はないだろう。

 

僕は毎晩、ある種の動画探しをすることを日課としている。これはもしかするとほとんどの男性の習慣にもなっているのかもしれないのだが、とにかく寝る前にある種の動画を探さずにはいられない。そして目当ての動画を見つけることができると、とてもすっきりした心地で寝ることができるのだ。

 

その日も僕は動画探しに明け暮れていた。その類の動画の中には、ごくまれに僕の好みにストレートに刺さるものがあって、そうしたものを見つけるとすかさずお気に入りに登録する。たまに「そういうものはお気に入りにするより偶然見つけることができた時の喜びこそ至高だろ」という主張をする人もいるが、僕はその主張にも一理あると思ってはいる。しかしこれは見つからない時のための奥の手として用意しているのであり、今日はその奥の手を使おうとブックマークへと飛んでいた。

 

だが、その日はいつもと違っていた。

 

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悪夢だった。まだ寝てもいないのに。

 

わかる人にはわかると思うが、この文面がお気に入り登録した動画のページで出現するとショックが大きい。いつ見れなくなったのだろう。まぁ大抵こういうのはお気に入りにしてから数か月、あるいは1年以上経っているものを見ようと思い立った時に現れる。月日が経ちすぎるとこの画面になっている可能性が高い。

 

しかも、これもわかる人にしかわからないのだが、削除された動画ほど異常に質が高いのだ。高画質な場合もあれば、ルックスの点でクオリティがはちゃめちゃに好みの場合もある。僕も場合ルックスの点でハイクオリティの動画が削除されていることが多いので、これを目にすると本当に哀しくなる。無くなって初めてわかる尊さ。

 

もちろん消されたものと同じ動画が有料のサイトで見ることの出来る場合もある。きちんと金を払って見る方が全編高画質で見ることができるため、その方がいいという意見もある。しかし、下手に高画質だと悪い意味でリアルさが勝ってしまい、見える必要のないものまで見えてしまうこともある。そうするとやはり無料の方がいいという結論に至る。

 

今回も、消された例の動画の全編高画質フル動画がどこそこというサイトで700円くらいで見ることが出来るようだった。700円という金額も非常にずるい。まるで昼時に食べるラーメンのような価格設定。しかも半額レベルにまで値下げするどこぞの通販のように、1500円という打消し線があったうえでの700円。ずるい。払ってしまいそうになる。

 

しかし、しかしである。

 

消されたのと同様の動画の全てが完全に消されたわけではない。インターネットの海は広く、検索如何によっては一瞬で見つけられる可能性も大いにある。その日の夜、僕は消されたものと同じ動画を探す旅に出た。広大なネットの海の底に鎮座する、ひとつなぎの大秘宝、ワンピースを探しに。

 

 

 

さて、まずはいつも利用しているサイトへと向かう。今までは大雑把な検索ワードで一番上に来る、様々な動画がジャンル別にまとめられているサイトへとアクセスし、そこから適当に漁ることが多かった。しかし、この方法はもう幾度となく繰り返してしまっており、だいたい初めの方に現れるものは知り尽くしていた。今回もいつもの手順で検索を続け、僕が探しているものと同じタイトルで上がっていた動画を見つけた。しかし案の定、同じように削除されていた。すでにここまで手が回っているようだった。

 

こうなってしまうと、たいていの場合「諦めて違うジャンルへと移る」「諦めて寝る」の二つしか選択肢はない。しかし今夜は違った。Google検索の奥の方、奥の方へと足を踏み入れ進み続けたのだ。

 

Googleの検索結果というのは、検索ワードが的を射たものであれば、たいていは1、2ページ目で何とかなる場合が多い。むしろ3ページ目以降はサイトの質も悪いため、無理してページを進めることにはあまり意味がないとされている。もし入ったとしてもほとんどが削除済みの、いうなれば動画の墓、魔の三頁地帯(バミューダトライアングル)というわけだ。

 

しかし今日の僕は違った。いつもなら2ページで終わるところを、今回は7ページまで進めたのだ。7ページまでいくともはや何が何だか分からない。検索ワードとほとんど関係なさそうなガラクタが出てくるのは勿論のこと、それっぽいものを見つけても、たいてい「死んで」いた。可能性のありそうなものであっても、無限広告の罠や、そもそも動画のページに繋がらない闇が待ち受けていたからだ。さすがにここまで成果無しだと、その存在を疑ってしまう。

 

今回もダメなのか。萎んだ夜を迎えることになるのだろうか。まったく、息子に合わせる顔がない。しかし、負けることも出来ない。ここまでくるとそれはもう僕の矜恃の問題だった。負けられない戦いがそこにある。たち上がらなければ。勃発した苛立ちは鎮めなければならない。しかし、なかなかどうして見つからない。数ページにわたる十字軍遠征は失敗だ。さながらボニファティウス8世のように憤死するしかないのだろうか。アナーニ事件と同じ轍を踏むのか。途方に暮れつつも7ページ目に突入したその時、目に入ってきたのはとあるサイトだった。

 

詳細は省くが、想像以上にしっかりしている。これは期待できる。頼む、頼む、頼む。何重にも襲いかかってくる広告の群れを退け、それと思われる画像を頼りにクリックを繰り返す。

 

 

 

あっ。

 

 

 

それを見つけた時の喜びは、竜の巣と呼ばれる巨大な低気圧の雲の塊を切り抜けた先に聳り立つ、天空に浮かぶ古城ラピュタを目にしたまさにその時に匹敵するものだった。

 

まさか、本当にThis video has been deleted.に打ち克つことができるとは。数分後、僕は幸福感に包まれていた。思考がクリアになる。今僕は賢者のように物事を考えることができる。

 

削除された動画を見つけることが出来たのはなぜ、あるいは今まで見つからなかったのはなぜなのか。その原因はタイトルにあった。詳細は同様に省くが、僕は今までKとして検索していた。しかし見つかったものは、まさかのCとしてであった(KとCはあくまで便宜的な呼称であり、動画とは何の関係もないことをここで明言しておく)。まさかCとして扱われているのかと疑問に思ったが、それほど違いもないだろうと今は思うことにしている。

 

 

 

芥川龍之介の著書『河童』に、こんな文章がある。

 

矜誇、愛慾、疑惑──あらゆる罪は三千年来、この三者から発している。同時に又恐らくはあらゆる徳も。

 

 全くもってその通りだと感じ入る次第であった。

 

 

 

兎にも角にも、これで安心して眠れる。そう思いながら僕は、この出来事をお気に入りに登録した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めてのDIY ─ラブリコを使用した自作棚作成─

いきなりであれだが、なんだか卒論のタイトルみたいになってしまった。

 

 

さて。

 

 

 

【はじめに】

僕は本を読むのも本を集めるのも好きだ。だからというか、今部屋にある本棚には到底収まりきらない数の本がある。正直めっちゃ困る。

 

 

だからといってその辺で売っている本棚やカラーボックスを買うことを続けていても芸がないし、面白くない。

 

 

そう考えた僕は、「本棚がなければ自分で作ればいいのでは」という結論に至った。

 

 

【必要な道具】

まずは道具を揃えるところから始める。調べてみると「LABRICO(ラブリコ)」という、2×4(ツーバイフォー)材という木材の両端に取り付けることで突っ張り棒の役目を果たし、原状回復可能な柱にすることの出来るアイテムがあることを知った。

 

 

 

これと2×4材を組み合わせるだけでいとも簡単に柱を作ることが出来る。しかし、ただそのままの2×4材に取り付けて…とやってみると、なんとも色合いがダサい。まるで100均のレベルである。もう少し見栄えのいい色合いを出したかったため、専用の塗料を購入することにした。

 

 

 

 

様々な色があって悩んだが、一番人気のある「ジャコビアン」を選んだ。

 

他にも電動ドライバーなどの工具、棚板、有孔ボードなどを買ったのだが、結果まぁまぁの額になってしまった。工具が家にない場合は初期費用と割り切って買い揃えてほしい。

 

【作業① 開始~柱設置】

さて、早速取り掛かる。

 

木材を買った時、まだ最終的にどうしようか悩んでいた状態だったので、ホームセンターの木材カットサービスを利用せず家まで持ってきてしまった。仕方がないのでノコギリで切る。

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無事に切り終え、次はやすり掛けを行っていく。紙やすりには表面の粗さに応じて番号がふられており(番手と呼ぶ)、今行っている作業用途の場合、数字120とか150とかの数字がちょうど良いとか。あまり細かいことは分からなかったが、とりあえず120番で木材全体にやすり掛けを行っていく。こうすることで塗料ののりが良いらしい。

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やすりをかけ終えると、次はいよいよ塗料を全面に塗る。最早一目瞭然だが、本当に塗る前と後では全然違う。木目もいい感じに際立ち、木の力強さを感じられるようになる。

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塗り終えたら、10分ほど乾かしてから雑巾などの布でよくこする。こすることで余分な塗料が取れ、さらに光沢が出てよりそれっぽくなる。

 

 

いよいよ設置。説明書にしたがってラブリコを取り付ける。ラブリコは2×4材専用に作られており、木材の両端にスポっとハマる。

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まぁまぁ、申し分ないだろう。

 

【作業② ガチャ柱・各種板取り付け】

ここから棚板を適当に配置する、という方法もありだったが、僕は用途に応じてデザインをいつでも変えられるように、取り外し可能な棚板を作ろうと考えていた。そんな時に見つけたのが「ガチャ柱」だった。

 

ガチャ柱(棚柱)とは、壁面に棚板を取り付けるためのレール上のパーツである。一定間隔で開いた穴にブラケットを付けた棚板を「ガチャ」っと引っかけて取り付けることができ、取り外しも容易に行うことができる。

 

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(完成形の先出しで図解。棚板の裏面にブラケットを取り付け、それを両端のガチャ柱に引っかけている。)

 

 

ガチャ柱を取り付け、棚板を仮置きしてみるとこんな感じ。

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これで後は棚板を設置しさえすれば完成だ。しかし、せっかくだから何か意匠を凝らしたいと考えるのも僕の性。後付けではあるが、適当な板を買って柱上方に取り付けてみる。

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色が濃く出過ぎた感が否めないが、まぁどうにかなるだろう。

 

さらに、工具棚にも憧れがあったので、有孔ボードを買って取り付ける。

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そして有孔ボードに工具を飾る。

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悪くないんじゃない?

 

ということで、そのあとも色々試行錯誤して、ついに完成…?

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【作業③ ペイント仕上げ~完成】

と思ったけど、やはり上の板が気になるので、何かしらペイントを施してみることに。ただ、ここでやりすぎるとダサくなるので色々考えた結果…

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「BUCH」(ドイツ語で「本」)と「WERKZEUG」(同じくドイツ語で「工具」)という文字をペイントすることにした。アンティーク(ダメージ?)加工のためにナイフで削る。ちなみになぜドイツ語を選んだのかというと、単純になんだかカッコいいからだ。それだけである。

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悪くない、と思う!ちなみに塗料は「ナチュラルミルクペイント アースホワイト」という、100均で買えるもの。アルファベットのフリーフォントをネットから拾ってきて、ステンシルという技法(予め型を作ってその上から塗る方法。あのバンクシーもそのやり方で絵を壁とかに描いてるらしい)で塗った。

 

 

 

という試行錯誤があって、とりあえずの完成形がこちら。

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フェイクグリーンなども加えて、それっぽい雰囲気にした。近所のホームセンターと100均で買い揃えたアイテムだけでも何とかなるものである。

 

 

しかし、当初の目的だった「本棚」になってないじゃん!となってしまった。なので最近、また本棚メインの形へと変わりつつある。

 

 

【現在は…】

そしてさらなる試行錯誤の末、現在の形がこれ。

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有孔ボードは本の向こう側へと追いやられ、有孔なのに無効になってしまった。…はい。

 

 

また飽きたり別に本棚を作成したりすれば、これもまた今までのいずれとも違った形へと、姿を変えるかもしれない。その日が楽しみでもある。

 

 

…あ。

 

 

かなり大きい地震が来たらおそらく壊滅するので、くれぐれも気を付けるように…。文庫本ならまだましとはいえ、写真の『定本 三好達治全詩集』とかが落ちてきたら多分死ぬ…。

 

 

猫のこと。

 

初めて降り立つ街をぶらり散歩していると、たまに野良猫を見かけることがある。

 

彼らはいったいどうやって食いつないでいるのだろう。

 

今日も野良猫を2匹見かけた。

 

僕が近づくと、「ぬぁーお」と鳴きながらすり寄ってきた。

 

ごめんな、今は何もあげられるものがないんだ。

 

ぬぁーん。

 

これ以上は鞄に入れて持って帰ってしまいそうになる。そそくさとその場を離れることにした。

 

家へ帰ると、「にゃー!」とうちの猫が叫ぶように出迎えてくれる。

 

こいつも、もとは野良猫だ。妹が拾ってきた。

 

餌をむしゃむしゃと平らげ、幸せそうに寝転がるうちの猫。

 

彼らとうちの猫との違いはなんなのだろう。

 

うちの説明会にでも参加したのだろうか。

 

うちの面接で「私は御家にとって安らぎを与える人材、いや猫材として相応しいと確信しておりますにゃ」とでも言って内定でも貰ったのだろうか。

 

あるいはそうかもしれない。だってにゃーにゃー鳴いていたんだから。

 

また様子を見に行ってみよう。出張面接だ。

 

 

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 人懐っこい子だった。さぞ周りの人々に良くしてもらっているのだろう。車に轢かれないように気を付けろよ。

 

 

ついに駅前のTSUTAYAが潰れた。それに際して思うこと。

先日、駅前のTSUTAYAが潰れてしまった。

 

僕が中高生の頃、駅前の塾に通っていたこともあって、度々利用していた駅前のTSUTAYA

 

何度か改装や移転を繰り返して粘り続けてきたが、限界だったようだ。

 

思えば、駅前のTSUTAYAには本当にお世話になった。

 

ラノベやマンガを買うのはもちろんのこと、参考書を買ったり好きなアーティストのCDや映画のDVDを借りたりしたものだった。

 

本屋が潰れていくという危機的状況はもう何年も前から問題となっている。町の本屋やTSUTAYAに限らず、紀伊國屋書店ジュンク堂書店などの大型書店でさえも、閉店の危機にさらされ続けている。

 

勿論、電子書籍Amazonプライム、ネットフリックスなどのネット配信によって、本やCD、DVDなどの「モノ」は不要となってきている。ここで敢えて時代の潮流に抗うことは、賢い選択とは言えないだろう。

 

しかし、本当にこれでいいのか。

 

電子書籍が、Kindleが名乗りを上げて10年以上が経つ。たくさんの本を持ち運ぶ必要がないという利点は、高校生の頃に電子辞書を使って勉強していたのもあって、重要なことだと実感する。

 

しかし。しかしである。

 

僕は大学に入って以来、平均すると一日一冊ペースで本を買っている。最近はエスカレートしてきて、セール時には一回に数十冊買うこともある。

 

電子データを買えば、わざわざ書店に足を運ぶこともなく同じものが得られる。そこになんの違いもありゃしないだろう。

 

違うのだ。

 

重み。

 

本は、質量をもって我々に対峙する。

 

本屋は、人と本との出会いの場である。合コン会場ともいえる。

 

我々は本を選んでいると思っているだろうが、それは半分正解で半分間違っている。

 

本が我々を選んでいることだってあるのだ。

 

互いの好みが成立すれば、はれてカップル成立というわけである。

 

そんな出会いの場である本屋を潰してしまっては、いずれ少子化の一途をたどるに違いない。

 

知識の少子化である。

 

ここまで書いておいてなんだが、僕は電子書籍に否定的なわけでは決してない。電子書籍の方がいい場面も往々にしてある。

 

ただ、本屋が潰れていくこの窮状が、悲しくてならない。

 

本屋で、本を買おう。

 

月に一度、年に一度でもいい。自分にとっての「これだ!」と思える一冊を見つけよう。そしてその本の重みを享受しよう。

 

それは決して人生において間違った選択になることはないと、僕は確信している。

村上春樹を知るためにジャズを聴く。はじめてのジャズ。

 

最近、村上春樹を読んでいる。

 

以前『ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』を読んだことはあった。しかし村上春樹作品は大抵、たまに寄りたくなる、珈琲が一杯600円くらいする割とお高めのカフェのような、そんな味わいが滲み出ている。そんなオシャレさが村上春樹にはある。

 

村上春樹のそこはかとないオシャレさを際立たせているものの一つに、「音楽」、もっと言えば「ジャズ」がある。

 

そして、僕はジャズを全く知らなかった。

 

ジャズと聞くとなんだかオシャレでカッコいい、日常生活でそこまでよく聞くことのないレベルの高さを感じさせる音楽ジャンルというイメージがあり、正直敬遠していた。

 

しかし、村上春樹の小説を読んでいると、まぁまぁの頻度でジャズの名曲が登場する。村上春樹を理解するにはまず外堀を埋める、つまりジャズを実際に聴いて雰囲気だけでもつかんでおく必要があるという結論に至った。

 

とはいえ、何から聴き始めればいいか皆目見当がつかない。

 

調べてみると、マイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」というのが超有名で名盤だということが分かった。早速CDを買って聴いてみることにした。

 

カインド・オブ・ブルー+1

カインド・オブ・ブルー+1

 

 

うーん…

 

 名前の通りなので文句のつけようもないのだが(むしろこんなベストセラーに文句をつけようなど、ジャズファンからボコボコにされること間違いなしであるが)、曲調というか全体の雰囲気がブルーなので聴くのにそれなりの覚悟がいる。いやいや覚悟なんていらないだろう、ゆったり聴いてくれと思われるかもしれないが、この荘厳な趣きは通学中とかに聴ける代物ではない。これは名盤なのかもしれないが、僕には少し早かったような気もする。

 

マイルスと同じくらい支持されていたので買ったもうひとつのCDがこれ。ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」。

 

ワルツ・フォー・デビイ

ワルツ・フォー・デビイ

 

 

ピアノジャズ。これは耳馴染のいいものばかりだ。ピアノという楽器のメロディ自体が幼稚園の頃から聴くことの多かったものだからかもしれないが、とにかく聴いていて心地よい。知的で落ち着いた雰囲気。「カインド・オブ・ブルー」が青、あるいは黒のイメージだとすると、「ワルツ・フォー・デビイ」は白や透明のイメージがある。いやいやじっくり聴いてみるともっと深い味わいが…ってなっていくのかもしれないが、初めて聴いた感想としてはこんなものである。

 

とはいえ村上春樹の小説に出てくるジャズは、そんな超絶名盤ばかりというわけでもないようだ。たとえばつい最近刊行された『一人称単数』という短編集の中のひとつに「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」という話がある。

 

チャーリー・パーカー?ピーター・パーカーなら知ってるんだけどなぁと思ったが、調べてみると普通に超有名なようで、なんとまぁ未知の世界に足を踏み入れてしまったものだとある意味感慨深く思った。

 

とりあえず聴いて感じるしかない。

 

ナウズ・ザ・タイム+1

ナウズ・ザ・タイム+1

 

 

これはいい。好きだ。なんだろう、形容するのが難しいのだが、楽しそうに演奏しているのが伝わってくるからか、こちらまで楽しくなってくる。そんな感じがする。上に挙げた2つとはまた違った味わいがあって面白い。

 

さらに、村上春樹の好きなジャズについて調べてみると、真っ先にクリフォード・ブラウンという名前が出てきた。これも聴いてみる他ないだろう。

 

スタディ・イン・ブラウン

スタディ・イン・ブラウン

 

 

これはいい。すごくいい。開幕からめちゃくちゃアツい。少なくとも椅子に座ってうんうん唸りながら聴くジャズではないことは確かだ。『ブルージャイアント』というめちゃくちゃ面白いジャズ漫画があるが、その作中で実際に演奏されているところに立ち会ったような気分になる。誰やねん初めにマイルス聴くべきとか言ったやつ。マイルスは多分もっと耳慣れた上級者向けの音楽だと、個人的には思う。

 

さらに村上春樹の勧めるジャズに、もうひとつ、ウェス・モンゴメリーの「フルハウス」というのがあると知ったので、これまた早速聴いてみる。

 

フル・ハウス+3

フル・ハウス+3

 

 

これめっちゃいい。今まで挙げてきたように、ジャズのメインを務めるのはサックスやトランペット、あるいはピアノというイメージが強かった。しかし、これはギターが大きく前に出ている。しかしそれでいて耳にすっと入ってくる。オシャレ。全くもって(音楽に対しては特に)語彙力の欠片もないままこんなことを書いているのだが、とてもバランスが取れている。だからオシャレに感じるのだろう。色々調べてみると、やはり初心者が初めに聴くにはうってつけのものだそうで、「分かりやすい良さを持っているが、それでいて上級者をも飽きさせない深みのある」音楽へと収斂させている、ように感じる。カフェでこれ聴きながらだと勉強や読書が捗りそうだ。

 

 

 

とまぁこんな感じで、今のところジャズの世界に足の爪だけ浸かっているといったところである。村上春樹の小説をより深く味わうためにも、音楽、さらにはジャズという沼(?)にゆっくりと足を踏み入れていきたいところだ。

 

 

 

猫と初めての動物病院。

今年に入ってから飼い始めた猫が少し調子が悪く、動物病院に行くことになった。

 

さて、何とこの僕、動物病院は初めてだった。いつも母や妹に任せていたので何が何やら分かっていない。とりあえず診察料だけはたくさん持って行く。

 

何も分からず病院に着いた。受付で名前を聞かれた。すかさず僕は僕の名前を告げた。違った。猫の名前を聞かれていた。ここでは猫と人間の立場は異なる。猫は「やれやれ」と顔を背けた。

 

診察はすぐに終わった。食事改善のため、特別なキャットフードを与えるよう指示される。そんなにするのかと驚くくらい高い診察料を支払い、病院を後にする。

 

猫はすでに家族の一員なのだった。

 

僕は猫について何も知らなかった。どんな病気があって、どんな対処をすればよいのか。SNSに写真をあげるだけでは、猫を知ったことにはならないのだった。

 

籠に入れた猫を自転車の籠に乗せ、家路を急ぐ。猫は「早く降ろせ」と文句を垂れる。それくらい元気があるならいい。

 

家に帰って夕食を食べていると、猫が僕の太ももの上に乗っかってきて寛ぎ始めた。「お疲れ」と言っていた。

超こみっく★トレジャー2020に行ってきた&その他色々

2020/9/6日曜日、久々にこみっく★トレジャー(以下:こみトレ)に行ってきた。

 

 

こみトレとは、インテックス大阪で開催される、同人誌やその他様々なグッズなどの即売会であり、言ってしまえば規模の小さい大阪のコミケみたいなものである。

 

 

毎回毎回コミケの半月後くらいに開催されるため、どうしてもコミケとサークルが被ったり、新作が出てなかったりする。実際コミケに行くようになってからはだんだん足が遠のき、実に4年ほど行っていなかった。最近はコミケすら行かなくなったし、確実に老化が始まっている。悲しきかなオタクの老化。

 

 

また、もはや知名度100パーセントに近いレベルのコロナウイルスくんによる影響もあって、今ではコミケ含む一定以上の規模のイベントはほとんど延期あるいは中止になってしまっている。そんな中、こみトレはなんと開催するに至った。素直にすごい。

 

 

もちろん検温やアルコール消毒、マスクの着用などを徹底し、万全の状態で開催された。

 

 

朝8時くらいになって家を出る。いつもなら始発の電車に乗り、しっかりとオタク装備に身を固めるのが常だったが、今回はどこから見ても完璧な一般人だった。堀江とかを歩いていても許されるような普通の感じ。

 

 

さて、インテックス大阪に着いた。
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九州に台風が迫っているというのに、こっちは申し訳なくなるほどの晴れ。いやほんと申し訳ない。

 

待機列に並ぶ。密を避けるため、間隔を空けて並んでいく。
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この間隔の空き様でこの人の少なさ。よく開催出来たなぁ。

 

 

コミケとは違って入場時にカタログを買うシステムなので、待機時に色々とチェックする。とはいえそこまで目的があって来たわけでもない。以前と比べると本当に呑気なものである。

 

 

ひとつだけ楽しみにしていたのがこれ。普通に買えてとても嬉しかった。
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家に帰ってから撮影した。たろ基地(@oratFFFF)さんの「へたくそビールTシャツ」。飲み会に着ていくとウケがいいらしい。近々元同僚の集まりがあるみたいなのでその時にでも着て行こう。

 


会場内。
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あまりにも人が少なくてびっくりした。下手すりゃ休日のイオンの方が人が多い。普段のコミケ2日目の混雑を10倍に希釈したくらい少ない。

 

 

特に他に買う当てもないので帰ろうかと思っていたが、ふと目に入ったイラスト集がとても良くてついつい買ってしまった。ただちしゅんた(@ta8ne)さんのイラスト集。
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 即売会はこういった掘り出し物みたいな、予期せぬ出会いがあるから面白い。

 

 

実は他にも同人誌を買っていたりするんだけど、諸事情のためお見せできません。

 

 

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とりあえず買うもの買ったのでインテックス大阪から離脱。昼飯。

 

以前TLで美味そうなラーメンを食いに行っていたのが羨ましかったので負けじと福島へ向かう。

 

「燃えよ 麺助」。

 

r.gnavi.co.jp

 

 

この時点で14時くらい。着いたときには行列が。ここだけで見ればこみトレよりも人が多い。
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30分ほどして店の中へ。周りを見渡すとみんな黙々と食べている。

紀州鴨そば」と「チャーシュー丼」を注文。
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 うっっっっっっっっっっっまい。びっくりするほど美味い。この美味さをどう形容すればよいか分からない。また奥深い名店が生まれちまったな。

 

 

その後は少し時間があったので快活CLUBへ。メイドインアビスを読みたかったんだ。
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 メイドインアビス、6巻以降割とマイルドになってきてる気がするんだけどどうだろう。今までがあまりにも辛すぎて感覚麻痺してきただけと言われればそうなのかもしれないけど。映画もう一回観たいな。2期も楽しみにしてます。

 

 

帰りは本屋へ。以前からTwitterで気になってた虹走(@nijibashiri)さんのエッセイマンガ『ボクと壊された初恋』を購入。
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 いやはや可愛らしい絵柄でやってることのリアルさにグッと引き付けられるものがある。Uちゃんさんとの恋路の行方も気になるし、早く次回作出ませんか。

 

 

というわけで、こんな感じで日曜日を満喫したとさ。おわり。